皆様こんばんは。
前回の記事に予想以上の反響があり自分でもまだ驚いています。
読者になって下さった方も多くいらっしゃるようで、本当にありがたいことだと思います。
元はと言えば私の自己顕示欲を満たす目的で始めたこのブログですが、それに付き合ってこのページに訪れる方が出来たからには、私には責任が生じました。
ここはひとつ、皆様が「読んで良かった」と思えるものを今後も書いていきたいと思います。
さて、いつも私は今週のお題に沿って何か書いてきましたが、今日はちょっと昨夜の「問題のあるレストラン」6話が良すぎたので感想を書きます。(お題も後日書きます)
時間がないので今日はいつにも増してとりとめのない文章になるかもしれないことを先に謝っておきます。すいません。
早速ですが、木曜ドラマ「問題のあるレストラン」についての概要や、ストーリーの詳細については番組ホームページや他の方のブログにとても親切に詳しく書いてあるのでそちらをお読みください。
このドラマの概要を私なりにひどくざっくり言うと、「一見ポップなコメディタッチでありながら現代人の抱えているジェンダー問題について、考えの糸口を垂らしてくれる」そういうドラマだと思います。
まぁ、このドラマに関する見解は他にもすでにネット上にうなるほど存在しますので、概要について私が書くのはこの辺にして今日はもう少し掘り下げた話を書きます。
さて、私はたいていのドラマをtwitterしながら観ています。
私はこのドラマを1話目見逃して2話目から見始めたので、おとといダイジェスト版を録画したものを観てようやく1話のいきさつがわかり、全体像がつかめました。
そして、以下のようにつぶやきました。
問題のあるレストランのダイジェスト観てる。改めて面白い。今までずっと勝手に「○○女VS◻︎◻︎女」というレスラーとしてリングに上げられてきた女達(高学歴無職女も専業主婦もキラキラ女も引きこもり)我に返って「よく考えたらこれ何…?」とプロレス主催者(男性)に詰め寄るようなドラマだよ
— ニニコ桜島 (@ninicosachico) 2015, 2月 19
Twitterは140文字の制限があるので、どうしても言葉足らずになりますが、だいたい私の真意はこの通りです。
でも皆様にこのドラマの魅力をもっとうまく伝えるため、今日はここにもう少し補足説明をしたいと思います。
皆様はネット上の記事や週刊誌、実生活での人との会話の中で「女の敵は女」というワードを聞いたことがありますか?
きっと誰しも1度はあるのではないかと思います。
私の場合、どこかの酒の席で男女の三角関係の話題になった時に、とある中年男性から出たこんなウンチクを思い出します。
「女が浮気してバレた場合、男は彼女も浮気相手の男も許さないんだよ。
でも男が浮気してバレた場合、女は彼氏を許して相手の女を恨むんだよ。
結局女は女を恨むんだ。女の敵は女ってことだなぁ。ぐびぐびっ」
最後のぐびぐびっは、彼が気持ちよくお説を終えてレモンサワーを飲む音ですので気にしないで下さい。
さて、私も以前はこういう「一見もっともらしい話」を聞くといちいち納得していました、うんと若い頃は。
でも実際にその後彼氏に浮気をされるという事態に陥ったことがあるんですね。
その時に私がどういう感情になったかというと、怒りとか悲しみとかじゃなくてただの憎しみだけでした。
・浮気した彼氏への憎しみ。
・彼女がいると分かっていて私の彼氏に手を出した女への憎しみ。
・そして浮気するような彼氏を見抜けなかった自分への憎しみ。
それはすべてイーブンの憎しみでした。
誰が一番憎くて、二番目は誰で、私は被害者で、なんて頭で分別は付かないんです。
性別が男だから許せるとか、女だから憎いとか無いんです。
人が人の信用を裏切る場面に出くわした場合、そこには「当事者への憎しみ(自分含む)」しか生まれなかったんです。
そこで私はレモンサワーおじさんの言葉を思い出し「女は女が憎い」って、なんの根拠で言ってんだよ?と思いました。
そこから「女の敵は女」という言葉を疑うようになりました。(私は憎む時に男も女も無く、人として人を裏切る行為をした彼らが憎かっただけなので。)
そして考えるうちにどうしてこの「女の敵は女」という言葉は、ここまで一般化されているんだろう?と思うようになりました。
しばらく考えていると、やがて「女の敵は女、ってことにしていたほうが矛先が向かなくて済む人」がいて、そういう人の為の通説なのでは?と思うようになりました。
ではそれが誰なのかと考えると、答えはすぐ出ました。先ほどの三角関係で言えば、1番得している人物です。
そう、浮気がバレた時に本当なら矛先が向く立場なのに、なぜか許されてきた「男性」という存在です。
浮気の例え以外にも、職場でも社会でもどこでもありえます「女同志で争ってれば、男に矛先が向かなくて済む問題」って。
そのカラクリを分かっていながら陰で「よしよし」とほくそ笑み、女同士の喧嘩をけしかける男性はズルいと私は思います。(女性でもこれに加担している人はいますが、女性は自分が戦うリスクも請け負ってるのでまだマシだと思います。)
もちろん私は、世の中のすべての男性がそういうズルい男性とは言いませんし思いません。
でもどんな女性に人生話を聞いても「人間的にクズい男性」が登場するエピソードを必ず聞くので、世の中にはそういうクズい男性がまだ相当数いるんだと思います。
そしてこのドラマでは社長(杉本哲太)、土田(吹越満)、星野(菅田将輝)といったクズい男性陣がたくさん出てくるのですが、現実世界にもいるであろうクズい男性はきっと皆様の周りで日常的にこんなことを言ってるはずです。
「ホラ、お局さまはまた若い子の仕事にケチつける~怖いな~」
「女ってその場に居ない女の悪口すぐ言うよな~こええー」
「ほんと、女だけの職場ってドロドロしてそうだよな〜」
etc…
私はいつも不思議でした。
なぜ女として1秒も生きたことがない男性達がまるで「女に攻撃された女」かのように実感をこめて「こえー」と言い、これらの台詞を私たちの前で繰り返しつぶやくのか?
そして考えた結果、それはただの「擦りこみ」だと思いました。
どういうことかというと、
先ほどは、「一部のズルい男性が女同志を争わせて男に矛先を向けさせない」と書きましたが、実はこのように目的を強く意識してこういうことを言ってる男性は少ないと思うんです。
では、ほとんどの人はどういう心理で言ってるのかというと、ぶっちゃけ「皆も言ってるし、なんとなく合ってるように見えるから」だと思います。
本当はそこに男女の性別なんて関係ない人間関係のトラブルなのに、彼らがたまたま目撃したギスギスした上下関係が女同志だったり、たまたま女性が多い職場でトラブルがあるのを数回見聞きしただけで彼らは「女って怖い」で、片づけて思考を止めます。
すでに彼らも「女の敵は女」という刷り込みをされているからです。
つまり彼ら自身も女性に対する過去や世間の刷り込みをなんとなく受け入れ、さらにその刷り込みを今度は自分も発信するようになってるだけなのです。
だから私思うんです。
こういう話は聞くほうも真に受けなくていい、と。
嬉しいことに最近の女性は昔よりとても理知的な方が増えたので、闇雲に人の刷り込みを信じない方も増えています。
でもまだ若い子だったり、自分の考えがない人は、人に刷り込まれた感性をそのまま摂取してしまう傾向があると思います。
つまり、もしあなたが裸で歩いてたら、勝手に自分好みの服を着せてくる人が居ても「とりあえずは何も着てないよりマシ」と思ってあなたも着せられたままでいますよね?
それと同じで、無知だったり自分の考えがなく生きるということは、裸で歩いてるのと同じ状態なんです。
そういう状態で世間に出ると、世の中には「自分好みの服(思想)を着せてやれ」と思う輩が大勢近寄ってきます。
そしてレモンサワーを飲みながら「女の敵は女だからね!怖いもんだよ。ぐびぐびっ」とさも当たり前のように言われたら「なるほど、そうなんだ~女の敵は女なのね」とそのまま刷り込まれてしまうことが往々にしてあるのです。
こうして若いうちに「男を敵から除外する思考回路」を自然と擦りこまれた女性が世に出てくると、何かトラブルの時には自然と女を憎む思考回路になっているので、女相手にバチバチやって、結局本当に「女の敵は女」の登場人物になっているのです。
このことを先ほどのツイートで私は
「今までずっと勝手に「○○女VS◻︎◻︎女」というレスラーとしてリングに上げられてきた女達」と書いてるのです。
このドラマでも、登場人物の女性達は、はじめは水と油のように1度はバチバチとなります。
キラキラ巻き髪女子VS喪女とか、専業主婦VSキャリアウーマンとか。
どれも今までのドラマなどでは「ほれ争え、お前ら仲悪いんだろ」と戦わされてきたカードです。
でも、このドラマではリングに上げられた女性達は皆すでに前回で和解が終了しています。
毎回終わりのほうで、たま子(真木よう子)の言葉によって女性たちの心が繋がっていくようなシーンがあるのですが、その時いつも彼女達は女と女ですらなく、人と人になります。
そこが見てると本当泣けるんですよ!!!
このドラマが伝えたいことを私なりに考えると、
このドラマは今まで無意識にリングに上がっていた世の女性達に
「本当にあなたが望むのは、戦いの果ての勝利なの?」
「今、目の前の女に勝つことは、本当にあなたにとって喜びなの?」
ということを「問いたい&考えて欲しい」のではないかと思います。
そう考えながら観ていたら、前回ではこれを裏付けるような特に印象的な台詞がありました。
たま子が土田に言った「誤解です。私はあなたと仲良くしたかっただけなんです。一緒にいい仕事がしたかっただけなんです。」というやつです。
も~私は観てて「それだよたまちゃん!!」と膝を打ちました。
そう、私たちは仲良く暮らしたいだけなんですよね。
「女の敵は女だから戦って女に勝ちたい」わけでもなく、
「女の敵は男だから戦って男に勝ちたい」わけでもないんです。
私たちは、敵がいない世界で暮らしたいだけなんです。
前回のたま子の台詞は、私のこの思いに合致していたので、私はいつにも増して本当に泣けました。
ふう、興奮して長々とすいません。
本当は門司の話も書こうと思ったけど長すぎるので今日はやめます。
このドラマの魅力が少しでも皆様に伝わったり、共感していただけるところがわずかでもあれば幸いです。
来週からはいよいよ、物語は佳境に入りそうです。
6話までは桃太郎で言えば「サル、キジ、犬が揃う」ところまでで、来週は「いざ鬼が島」というところですから。
色んな方があらすじブログなどを上げてますので、それを読めばこれからでも充分楽しめると思いますから、是非まだの方もご覧下さい。
尚、手違いで「今週のお題」のほうに新着で載ってしまってます、映画の話じゃなくてあいすみません。
ではまた。