限りなく透明に近いふつう

やさしい鬼です お菓子もあります お茶も沸かしてございます

バレンタインにチョコを持って帰ってくる夫

 

昨日、夫が帰ってくるなり「はいこれ」と言ってこんな箱を渡してきました。

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モアナ…?モアナいつのまにこんな大きくなったの…?と思いつつ開けると

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チョコ系のお菓子でした。

バレンタインが近いのは把握してたけど昨日が当日だという意識がすっかり抜け落ちてた私は夫に「これは、バレンタイン的な…?」と聞きました。

すると夫は「んー、知んない。◯◯がくれた。お土産じゃないの?」と言って特に気にしてないご様子。

◯◯というのは、たまに話に出てくる職場の後輩男性で、彼がハワイに行ったという話は特に無いままハワイ土産らしきチョコ菓子を渡された私は、自分が嫉妬深い系の妻なら「そんな事言って本当は女子に貰ったんでしょ!」とヒステリックブルーな台詞の一つでも吐いたかもしれないけど、私はそんな性格でもないし、これはどう見てもバレンタイン向きの商品ではなく本物のハワイ土産っぽいので素直に「やったぁチョコだ!◯◯君ありがとう」と思いました。

夕食の後、夫はいらないと言うので1人でチョコを食べながら、私は「夫が職場で貰ったお菓子をこうしてちゃんと持って帰ってくること」にしみじみ感謝をしていました。

というか、前はそんな事にわざわざ感謝をしていなかったのだけど、ある時から私は感謝をするようになって、その「ある時」の事を思い出していたのです。

それは5.6年前のこと。

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Aくんは甘いものが苦手だったので、いつも通り断っていました。

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こんな感じで結構しつこく勧められたのにAくんが頑なに断るので、結局皆は諦めて勧めるのを辞めました。

私はこんな光景をそれまでも何度か見ていて、特に気にしていなかったけど、この時は「そういえばなんでAくんはこんなに断るんだろう」と思い、Aくんに「いつも絶対お菓子断るよね?なんで?」と聞いてみたんですね。

すると

Aくん「んー面倒くさいんです。」

私「何が?」

Aくん「いや、皆はこの場で食べるからいいだろうけど、自分は食べないから捨てることになるでしょ。その捨てるのがいちいち面倒くさい。」

私「妻にあげれば?A妻甘いの好きじゃん。」

Aくん「いや、面倒くさいっす(笑)正直、あれを今貰ってロッカーに入れに行くのがまず面倒くさい。仮に帰りにカバンに入れられたとしても、帰ってカバンから出してヨメに渡すのが面倒くさい。『これどうしたの?』『職場で貰った』みたいな会話をヨメとすんのが面倒くさい。」

私「喧嘩中?」

Aくん「いや、違いますけど。え、分かりません?そういうの面倒くさくないっすか?」

私は正直「え、ごめん全然分かんない。」と思ったけど、それは言わず要約して

「ようはAくんは、妻が喜ぶと分かってても、自分の面倒くささが勝るからいつも持って帰らないってこと?」

と聞きました。

するとAくんは「いや(笑)そんなこれについて深く考えたこと無いですけど…」

と言いつつしばし上の方を見て、

「言われてみれば、そういう事っすね。」

と言うではありませんか。

自分達以外の夫婦が普段どういう会話をしてるか分からないし、家族にどの程度の会話を「面倒だからいいや」と切り捨てるかなんて、まったく個人の自由なので、Aくんが変人だとか嫌な奴とまでは言わないけど、私はなんだかAくんの妻がちょっと不憫に思えてしまいました。

いや、A妻は、Aくんがお菓子を断ってる事自体を知らないので可哀想もクソも無いんですけど、でも「妻が喜ぶかも」と「自分が面倒くさい」の気持ちの天秤を、いつも迷わず後者に傾ける人が夫だなんて、私は「ちょっと可哀想」と思わずにいられなかったです。

それで、自分の夫を振り返ってみると、夫はしばしば職場からお菓子を持って帰ってきてたんですね。

それはコアラのマーチ1袋だったり、八つ橋2切れだったり、些細なものだけど、帰ってきた夫がそそくさとカバンから出して「はいこれ」と渡してくることは結婚してからずっと当たり前のことでした。

私はいつもそのことをなんの気にもとめてなかったけど、Aくんのコレを聞いてから、夫に感謝するようになりました。

Aくんと同様に甘いものがそこまで好きじゃない夫が、それらをいちいち持って帰ってくるのは一応それを持ち帰って私に渡せば私がそれなりに毎回「わぁい!」と喜ぶから夫はそうしてくれてるのかもしれないと思ったから。

まぁ、単純に言って夫のほうがAくんより優しいよな、と私は思います。

でも、何を「優しさ」だと思うかは人それぞれなので、仮に「AくんがA妻の喜びより自分が面倒くさくないことを優先する」という事実を知ってもA妻は「それがなにか?」と思う人かもしれないし、Aくんは別のことでAくんなりの優しさを妻に発揮しているんだろうし、それがA妻に取って心地よいならお菓子を持って帰らなかろうが、A夫婦は1組の円満な夫婦なんだと思います。

でも、私は夫が職場から持ち帰ったお菓子を渡される度「ああ、夫は職場で『これニニちゃんに持って帰ったら喜ぶぞ』と思って持って帰って来てくれたんだな」と感じ、そのつど「優しい人だなぁ」と思い、夫婦でいる幸せみたいなものを改めて実感するので、こういう優しさが出せる人と結婚できて良かったなと思う。

 で、ここで話が終わるとただの夫自慢なんだけど、その後私には「上には上がいる…!」と思うことがあったんですよ!

それは、Aくんの居た職場を辞めて、また別の職場で働いていた時のこと。

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主任、超優しくないすか!?

これ私も以前、夫に言ったことあったけどさすがに断られましたもん。

夫がヨックモックかなんかの詰め合わせを一缶まるごと貰って来た時、嬉しいけどその頃ちょっと私は太り気味だったので「嬉しさ半分困るよ半分」な状況で。

何日かに分けて食べたいけどあると食べたくなってしまうので、「あると食べ過ぎちゃうから昼間私が家に居る間、どっか持ってって欲しい!」と夫に言ったら「そこは自制してよ!大人でしょ!」と言われてしまいました。

生八ツ橋をティッシュでくるんで持って帰ってくるほど優しい私の夫がやらないレベルのことを主任はやってたので、まじ仏かよ、と思いましたね。

私は普段けっこう人から「ひどい夫話」を聞くことが多いので、こういう「いい夫話」に触れると本当に心洗われますし、甘いものを食べた時みたいなじんわりした幸福感が味わえます。

そんなわけで、この記事はそういう気分のおすそ分け的なやつです。

モアナっぽいチョコ菓子を食べ過ぎながら書きました。

ちなみに生八つ橋はティッシュでくるむと再起不能なので真似しないでください。

 

以上です。

 

【追記】私、モアナ、モアナ書いてましたが、間違えてました。どうやら私が脳内で漠然とモアナと思っていた絵はリロアンドスティッチのリロでした。モアナはすでに大きかった。