限りなく透明に近いふつう

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客商売の店員の名札に書く名前って、偽名でよくないか?

 

皆様こんにちは。

今日は私、コンビニバイトを辞めてだいぶ経つんですけど、今だに当時を思い出すとモヤる話があるんで書きます。

ある日私が出勤すると、オーナーの奥さん(以前もこのブログに書いたことのある、例の一癖ある「おばちゃん」)にこんな事を言われました。

「そういえば昨日、いつもよく来る男のお客さんが『桜島さんの電話番号教えて』って言ってきたのよ〜。私ちょっと悩んだんだけど、言わないでおいたからね~。」

 おばちゃんは肉まんを補充しながら片手間に、まったく普通のトーンで、まるで「今日から、コロッケ50円引きセールだから多めに揚げていいからね~」のトーンで私にそう告げました。

これに対し私は2つの意味で「は!?」となった。

1つ目の「は!?」はもちろんその男性客に対して。

確かに仕事中の私は愛想が良いので、常連さんと仲良くなることはこれまでもあったし、連絡先を貰うことも1.2回はありました。

でも「自分の連絡先を差し出す」のと「人の連絡先を聞く」って、後者のほうが圧倒的に迷惑度高いじゃないですか。

だから、その男性が私の不在時に他の店員づてに自分の連絡先のメモなり名刺なりを渡していったってのなら、ビックリするけどまだ理解できるんですよ。

なのに、そうじゃなくて桜島さんが居ない」→「じゃあ他の人から連絡先聞こうっと。」と思ったその人って…

は!?なにその矢印!?なにその思考回路!?聞き出せると思ったの!?どういう常識?理解できない、こええよ!!!

と思ってしまいました。

2つ目の「は!?」はおばちゃんの「ちょっと悩んだ」という部分への「は!?」です。

私の常識だと、「本人の許可を取らずに電話番号を第三者に教える」ということはまずありえないことです。

だから「教えない?or教える?」なんて選択肢は「10対0」で「教えない」に決まってます。天秤にかけるまでもなく悩まずに「教えない」の1択しかないってことです。

でもおばちゃんは「ちょっと悩んだ」と言いました。

それって一瞬でも「教えるor教えない」の天秤がおばちゃんの中に生まれたってことを意味してますよね。

だから、え?なんで悩む余地あんの?教えないの一択じゃないの?どういう常識でそこに1ミリでも「教える」の可能性感じてんの?みたいな「?」がもう生まれまくりですよ。

 で、男性客にもおばちゃんにも「は?なんだそりゃ!?」となった私だったのですが、とりあえず男性客は目の前に居ないから、まずはおばちゃんに聞いてみたんです。

「なんで『ちょっと悩んだ』んですか?言わないのが当然ですよね?」と。

するとおばちゃんはいつも通り「アラ私あんまり何も考えてなかったわ」的なニュアンスで「あはは、そういえばそうだったね~^^」と笑ってごまかして行ってしまいました。

ようするにおばちゃんはあんまり何も考えていなかったらしい。

 

お世話になった人にこんな言い方するのは本当に忍びないけれど、このおばちゃんは本当にいつもこういう「基本なんも考えてないのでは…?」となる言動が多かった。

その為、この頃の私は、おばちゃんとまともに話したらこっちが疲れるから色々腑に落ちなくても諦めることにしてました。

だからもう追及はしなかったのですが、この時のコレは本当に解せなかったです。

でも私はこういうのを後からぐじぐじと考える性格なもんで、バイトしながら色々考えてたら不安要素がいくつも思い浮かんでくるわけですよ。

「おばちゃんはもし私が独身だったら教えてたのでは?」とか。

「下の名前くらいだったら教えてたのでは?」とか。

「いや、おばちゃんじゃなくても高校生のバイトちゃんですら、大人の男性客に強く聞かれたら断れずに下の名前くらいは教えてしまうんじゃ?」とか。

 

つまり、今回はセーフだったけど、状況が違ったら個人情報が簡単に漏らされる可能性があるわけで「そのセーフさが『運』に左右されてる感じ」がすごい危なっかしくて怖い、と思いました。

 何年か前、コンビニの女性店員がバイト帰りに男に刺殺された事件がありましたよね。あれ、私の生活圏内のコンビニだったこともあって、当時だいぶショッキングでした。

あの事件についての報道の中には「男は知人に『近所のコンビニにかわいい店員がいる。』と話していた」という話もあったので、そういうのを聞くと、自分も含めて客商売の店員の置かれている状況に、危なっかしさを感じました。

しかも、そんなことを考えながら思い返してみると、そういえばコンビニで働き始める時にそういう(従業員の個人情報を勝手に口外してはいけない。)注意って一切なかったな、と思い出しました。

初期の研修期間に少しだけ、仕事内容とは別の「心得」みたいなのを教育される時間はあったんですが、その中には「従業員以外の人を事務所に入れてはいけない。」とか「仕事中に私用の買い物をしない。」みたいな、ごく基本的な注意点だけでした。

「従業員の個人情報を勝手に口外してはいけない。」ってのは無かった気がします。

よそのコンビニではそういう教育もちゃんとしてるのかもしれませんが、私の働いてたところはそういう教育が無かったし、私がこれまで働いてきた職場は10数か所あるのですが、その中で「他の従業員の個人情報をもらさないこと」とあえて、初めに注意された職場は1つしかありませんでした。

もちろんそんな事って、本当はわざわざ職場が従業員に教えるまでもなく、働けるような年齢に達しているなら「人として踏まえているべき常識」だとは思うんです。

だからコンビニの上層部もマニュアルに載せてない項目なのだと思いますが、でも、こうやっておばちゃんみたいな危なっかしい人を職場で目の当たりにすると「職場として各従業員にあえてちゃんと釘を指すべきなのでは?」って気もします。

自分で言っておきながら、そんな事をわざわざ教えなきゃならないなんて、「人間同士の信用が薄れた社会」って感じがしてちょっと空しいなぁ、とも思います。

でも、今の時代ってフルネームが判明したらfacebookで色々探ることも出来ます。

SNSやってなくても、名前とか電話番号が漏れたら住所が分かる方法なんてすぐ見つかりそうな時代です。

だから、接客業という、不特定多数の他人と接する業種なら、初めにちょっとその点の注意をする必要があるんじゃないかと思います。

ファーストフード店とか居酒屋チェーンとかコンビニは「若い子が初めに社会経験を積む場」になりがちな職種なので、特に。

 

もちろん、全員が個人の判断で「それはやったらマズイこと」と分かるのが理想なんですが、学生時代にもいませんでした?

勝手に友達の番号を人に教えちゃって「彼氏の男友達に〇〇子のプリクラ見せたら超気に入ってたから番号教えちゃったからね~、〇〇子も彼氏欲しいって言ってたからいいよね~?」みたいな事後報告してくる危なっかしい子。

多分、そういう人ってどんな世代にも一定数居て、しかもそういう風に勝手に他人同士をカップリングするのが好きな人は、悪意ではなくて本当に「良かれと思って」くっつけたい人同士の個人情報(電話番号まではいかなくても「下の名前」や「年齢」程度なら特に)を流したりするんですよね。

もしそういう人が職場にいたらたまったもんじゃないよな、と思います。

 

 

あと、これも関連することなので書いておきますが、以前私はTwitterにこういう発言を載せました。

この時、私にしては珍しい数のリプライを頂いて、同じように思う方が多いようでした。

中にはご自身や同職場内の人のストーカー被害経験を書いてくださっているものもあったりして、やはり「名札で店員の本名バレ」「執着した客とトラブル」というのは実際にわりと起こりうるもんなんだなぁと実感しました。

ストーカー気質の人にしてみれば、「一つ分かったらもっと知りたい」みたいな心理も働くと思うので、「名字ですら本名を掲げるのは抵抗ある」って人は私以外にも居るんですね。

 

好意が元になるようなストーカー以外にも、店員はどうしても客に都合の悪い事を言わなきゃいけない場合があるのに、変な客が相手だと、「この店員ムカつくなー、名前は○○か、後で検索してやれ」ってなる可能性を考えると尻込みしてしまう、という事もありますよね。

だから、客商売の店員が名札に書くのは本名じゃなくて、源氏名(ビジネスネーム)にしちゃっていいんじゃないかと私は思います。

 

しかも、私はこんなふうに「名前ですらヤダ」って思うのに、世の中には店員・社員の個人情報を「晒させられる職場」って結構あるんですよ。

私が仲良くしてる着物屋さんは店員がマンツーマンというか、最初に応対した店員さんが担当になって、毎月イベントやセール情報の書いたチラシと手紙を送ってくるというシステムがあるんです。

私の担当は22.3歳の新卒のとても可愛らしい感じの女の子だったのですが、その子からその手紙が初めて来た時、びっくりしました。

だって、その子のプロフィールとして、名前と生年月日と血液型と趣味、さらには翌月のシフトまで載せてあって、「私はこの日に出勤です!(^^)!遊びに来てくださいね!」とか書いてあったんですよ。

その手紙は印刷物だったので、担当してる客みんなに送ってるそうなんですが、

「これ、怖くないのかよ?」と思いました。

後日、その子に個人的に「あれって、自主的にやってるの?」と聞いたら、

「あれ、お店のシステムなんですよぅ。入社して、このお店の配属になってすぐ、店長に『お客さんによく知ってもらう為に、いっぱいプロフィール書いてね』って言われて書かされたんです。私らは、毎月のコメント文を書いて店長に渡したら、店長がシフトとかレイアウトして印刷してるんです。」と言うので、「どひゃー」と思いました。

「嫌じゃないの?」と聞いたら「最初嫌だったけど、そういうものだって慣れちゃいました。」と言っていて、なんつうか、22.3歳なんて社会人としてヨチヨチの頃にこんなことに慣れさせるなんて、その会社が怖いと思いました。

もちろん、そういう風に情報を晒したい店員がするのは自由だけど、「会社に入ってみたらそれが慣例だったからやらされてる。」というのは、可哀想ですよね。

それで、その子が変な客に個人的につきまとわれたりしても会社は責任とってくれないだろうし。

もうちょっと、職場自体が自分のとこの社員の個人情報に対して「デリケートであれ!」と思います。

 

ちなみに、コンビニバイトのその日、私はおばちゃんへの態度がつい冷たくなっていたのだと思います。

それでおばちゃんもさすがにちょっと悪いと思ったのか、私が帰るときにおばちゃんは「ごめんね」と言ってきました。

それで私も「いや、今回のはもういいんですけど、連絡先聞かれたりしたら、悩む余地が無くダメなことだっていう認識は持ってください。」と言いました。

そしたらおばちゃん

「うんうん、桜島さん結婚してるんだから、当然教えちゃダメよねぇ」と言ってきて、

 

「わかってない…!!」と思いました。ぎゃふん。

 

独身でも彼氏募集中でも、ダメなんだよ!!!

 

 

まぁ、このおばちゃんは特殊な例だと思いますが、これを読んでる高校生とか若い子の中には、もしかしたら分かってない子がいるかもしれないので、改めて書いておきますね。

「人の個人情報は勝手に第三者に教えちゃだめですよー」

 

じゃ長くなりましたが、今日はこのへんで。

ではまた。